油揚げが稲荷信仰に

かかわりの深い狐の好物であることに由来する。

『守貞謾稿』によると、「油揚げの一方を裂いて袋状にし、木茸、カンピョウなどを刻みいれた酢飯をつめたすしを、天保の末年から売り巡る。

店売りは天保前からあり、最も賤価なすし。

名古屋には以前からあり、稲荷ずしまたは篠田ずしという」とある。

『天言筆記』には飯や豆腐ガラなどを詰めてワサビ醤油で食べるとあり、「はなはだ下直」ともある。

『近世商売尽狂歌合』の挿絵には、今日ではみられない細長い稲荷寿司を、切り売りする屋台の様子が描かれている。

現代の稲荷寿司は煮付けた油揚げを袋状に開き、中に酢飯のみを詰める場合と、酢飯にニンジンや椎茸、ゴマなどを混ぜ込んで詰める場合とがあり、後者を「五目稲荷」と呼ぶこともある。

岐阜県あたりを境に、東は四角、西は三角と、地域によって形がわかれる。

また、稲荷寿司と巻き寿司を詰め合せたものを助六という。

これは「揚げ」と「巻き」で揚巻という洒落による名称である。
update:2010年02月17日